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野菜の小話

身近な野菜の豆知識を少し、ご紹介します

 トマト

 現在、日本に流通しているトマトの多くは「桃太郎」という品種です。

つまぬまファームのトマトの苗もその「桃太郎」で、CF桃太郎や桃太郎ファイト等を

扱っています。過去には違う品種もあったのですが、今では大玉トマトといえば桃太郎が主流。そのわけは、交通の発達にあります。

トマトが産地から遠く離れた場所に運ばれるようになると、熟す前のまだ青いうちに

収穫し、輸送の間に赤く熟させる方法がとられるようになりました。しかし、そうすると味は落ちてしまいます。そこで、赤くなってから収穫しても、その後、輸送に耐えられるようなトマトの研究・開発が進められ、誕生したのが「桃太郎」というわけです。

 「桃太郎」は赤く熟してからでも柔らかくなるのが遅いという特性があります。

赤くなってからも輸送できるため、スーパーなどで取り扱いが増え、瞬く間にシェアを

拡大しました。

 家庭菜園でトマトを育てて、あっという間に食べきれない量ができてしまって困って

しまったこともあるかもしれません。でも、今のトマトは保存できる期間も長くなった

ため、食を楽しめる時間も増えています。完熟したあと、密閉型の保存容器に入れて

冷凍し、必要な時にトマトスープやカレーに入れ、隠し味に使うのもおすすめです。 

 

 キュウリ

 キュウリが旬を迎えるのは夏。太陽の光をたっぷり浴びた露地物キュウリは色鮮やかで、食欲増進にも一役買っていくれます。

 2014年8月、夏物野菜が高騰しました。関東地方では1本あたり25円で販売して

いたものが、100円近くに値上がりしました。これは7月と8月の台風の影響です。

特に西日本で被害があり、東北・関東地方の野菜が西日本に流れ、品薄となりました。

消費者としては、その他の生活費の値上げと重なり、それは苦しい状況でした。そのため

私たちは、経済的にもキュウリの家庭菜園をお勧めします。キュウリは、窓際で育てれば

緑のカーテンとしての効果もあります。

 

 それから最近、キュウリから無くなりつつあるものがあります。

 一つ目は、新鮮さの指標とされた、表面のトゲです。それは、2001年に種苗会社が

トゲのないキュウリ「フリーダム」を販売し始めてからのことです。まだまだトゲのついているキュウリも販売されていますが、どちらが生き残るのでしょう…。

 無くなりつつあるもう一つのもの。昔のキュウリにはうっすらと白い粉が吹いていたものがありました。それは「プリーム」という成分で、ブドウやプラムなどにもあります。

食べて害のあるものではありませんが、その白い粉が農薬を連想させるということで、

それも品種改良によって減らされてきました。

 

 ナス

 煮汁をたっぷり吸いこんで和洋中、どんな味にも染まるのが「ナス」の魅力。煮物、

漬物、炒めものと用途は広く、食卓に欠かすことが出来ない野菜です。日本では奈良時代

から栽培されていましたが、インド原産のナスはもともと寒さに弱く、昔は初夏にしか

食べられない野菜でした。

 

 また「一富士、ニ鷹、三なすび」という言葉。初夢に見るものを縁起の良い順番に

並べたものですが、富士や鷹に続いて、どうして三番目が野菜の「ナス」なのか不思議に

思ったものです。実はこれ、「富士山の標高」、「愛鷹山の標高」、「ナスの値段」を

差したもので、駿河の国(静岡県)で高いものの順番をいったものだという説があります。また、晩年を駿河ですごした家康が、初物のナスを好んだことから、ナスが選ばれたと

いわれています。

 ちなみに、スーパーで取り扱っているものが、たいてい長い卵型をしているのは、

あの形が箱に詰めやすかったからだそうです。

 つまぬまファームでは水ナスや長ナス苗も販売していますが、一番多く作っているのが

「くろべえ」という中長型ナスです。着果数が多く、長期間収穫できます。また、果型が

安定していて、光沢のある黒紫色で、日持ちが抜群によいです。

 

パプリカ

 パプリカは当然ながらピーマンの仲間ですが、ピーマンより肉厚でベル型をしています。また、完熟させるので緑色で未完熟のピーマンと違い、完熟させて赤や黄色になると、

青臭さや苦みがなく、甘みがあるのが特徴です。

「パプリカ」とはハンガリー語で、ハンガリー料理には欠かせない野菜となっています。

1993年に生産国であるオランダからの輸入が解禁され、その後韓国からも輸入される

ようになって、輸入が急増。2010年には、70パーセントは韓国産となっています。

スーパーでもよくお目にかかりますが、一つ100円以上する高級野菜。自分で育てると

とても経済的です。

ほうれん草

 ペルシャで生まれ、中国とヨーロッパに分かれて伝えられたと言われています。

大きく分けて東洋種と西洋種があり、日本には16世紀、中国から東洋種が伝わりました。

東洋種は根が赤く、葉に深い切れ込みがあるほうれん草で、長い時代、日本の食卓に

上がっていました。近年は、より甘みの強い東洋種と育てやすい西洋種を掛け合わせた、

交雑種が主流になっています。

ほうれん草は「緑黄色野菜の王様」といわれるほど栄養価が高く、中でも鉄分が特に多い

野菜です。鉄分の吸収利率を助けるビタミンCや、βカロテン・葉酸・ビタミンB群や

カルシウムなども豊富に含まれており、調理がしやすく、味に癖がないので、赤ちゃんの

離乳食や病院での食事にも多く使われています。

ホウレンソウは冬霜にあたると、栄養素も増え、甘みが増しておいしくなります。

零下10度にも耐えられるほど強いですが、高温には極めて弱いので、まさに北海道向きの野菜といえるでしょう。

ほうれん草に含まれるビタミンCは、ビタミンEと一緒に摂ると強化されるので、ゴマを

使った食べ方はまさに理にかなっています。

また、ほうれん草といえば「ショウ酸」をイメージする方もいるのでは。でも、茹でると

出るアクの成分はショウ酸。ゆでて水にさらせば相当減るそうです。結石の原因になると

されていますが、生で大量に食べなければ問題はないそうです。

 

つまぬまファームでも、夏から秋にかけて栽培・出荷しています。

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